「流通変革の考察」
「お金は寂しがり屋」
人が集まるところにお金も寄ってくる。
歴史上、商売はお金に寂しい思いをさせないように「にぎわい」を演出しながら発達した。
昔の「市」に始まり、戦後の闇市、そして商店街、郊外型ショッピングセンター、専門店チェーン、コンビニ、駅ナカなどと「にぎわい」の主役は時代と共に変わってきた。
2000年代以降は、米アマゾンや楽天などネット企業が、人とお金を引き寄せる。
そして、コロナ禍の集客難にて、小売業者や飲食業者が、「宅配企業」(アマゾンやウーバーや出前館など)を使う。
しかし、既に「使う」のではなく「使われている」感があり、「料理宅配企業」が小売業者や飲食業者を囲い込んでいると、認識すべきである。
もはや、料理宅配企業が小売店や飲食店の新たな「大家」に なってきている。
かつての「大家」は、ショッピングセンターであり、その後はアマゾンや楽天グループなどのプラットフォーマーに変わり、そして今、新たに人が集まる先は料理宅配となっている。
(コロナ禍で、店の集客が減る中、売上の30%以上を占める高い「家賃=手数料」を支払い、売上維持と拡大にとなっている。)
近年の小売業や外食業は、「マス(大量・大衆)か、ニッチ(こだわり・隙間)か」の選択に迫られていた。
そして、これからは、それがさらに、時間の「スピードかスローか」や、「デジタル(AI・ネット)か、アナログ(人・対面)か」という選択にと進んでいく。